犬におから、利点とリスク

おから

犬のダイエットや食事のかさましなどのために、「おから」を活用することをよく目にします。

実際のところ、おからを犬に与えることは良いのでしょうか?

このページでは、犬におからを与える利点とリスクについて、動物栄養学の観点からご案内します。

<目次>

犬におから、3つの利点

おからを犬に与える際、次の3つの利点につながる栄養・成分があります。

①便質を改善する「不溶性食物繊維」

おからには、食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は、「水溶性」「不溶性」の2タイプに分かれますが、おからに多く含まれているものは後者「不溶性食物繊維」です。

不溶性食物繊維の特徴として、「腸内の水分を吸収し、便のかさましになる」ということが挙げられます。つまり、おからを犬に与えることにより、便質の改善が期待できます。

(※食物繊維については、「犬と食物繊維の相性」をご参照ください。)

②腸内善玉菌を増やす「オリゴ糖」

おからの有用成分として「オリゴ糖」があります。オリゴ糖は、善玉菌のエサとなり、腸内細菌バランスを整えることが期待できます。だから、おからは「犬の善玉菌アップ」につながる素材です。

③ダイエットにもつながる「低カロリー・タンパク質」

低カロリー食品として知られるおからは、犬のダイエットにも活用されています。また、おからは大豆の搾りかすであるため、タンパク質は少ないイメージですが、12~13%ほど含まれています。この点も、犬のダイエットに向いた素材と言うことができます。

(※犬のダイエットについては、次のページで詳しくご案内しています。→「犬のダイエット 4つの食事対策」)

犬にとって、おからのリスク要因

次に、犬にとって「おからのリスク要因」を見ていきましょう。

1)下痢などにつながる「レクチン」

おからに含まれる「レクチン」という成分は、犬の腸にくっつくことで知られています。腸にくっついたレクチンは、犬の腸トラブルを引き起こし、下痢などの原因となりえます。

2)腸の炎症を引き起こす「サポニン」

おからに限らず、大豆食品には「サポニン」と呼ばれる、犬にNG成分が含まれています。サポニンは、天然の界面活性剤として知られ、犬の腸表面の脂質を溶かしてしまいます。そのため、犬の腸の炎症原因となるリスクがあります。

ただ、おからに含まれるサポニンは、大豆そのものと比べると少量であることが論文報告されています。

3)ミネラル吸収を阻害する「フィチン酸」

ミネラル吸収を阻害していしまう成分「フィチン酸」も、おからに含まれる、犬に良くない成分です。フィチン酸は、他の大豆食品と比べても、おからに高含量という報告もなされており、特に注意が必要です。

※短期的には見えにくい「おから」のリスク

上記のような「おから」のリスクは、短期的にはあらわれにくく、中長期の継続によりトラブルとなるようなところがあります。ましてや、話すことができない犬のトラブルを察することは難しいところです。

そのため、おからを犬に与えるのであれば、少量のみにとどめた方が良い、と個人的には考えています。

ただし、適量のおからは、犬にとってメリットの方が大きい可能性もあります。このことは、他の大豆食品にも言えることですが、私たちのドッグフード開発研究においても、少なめの適量のおからは、犬に好影響を及ぼすという結果が出ています。

(※おから以外の大豆食品の利点・リスクについて、「犬に大豆の是非」「犬に納豆が良い理由」「犬に豆腐の是非」「犬に豆乳がお勧めできない理由」もご参照ください。)

おからの与え方

犬への「おからの与え方」は、「少量のみにとどめる」ことがポイントです。

理由として、先にお伝えした「おからのリスク要因」により、中長期的には犬の健康トラブルにつながる可能性があるためです。

少量のみにとどめれば、おからは犬にも良い影響を及ぼしうる食べ物です。

まとめ

  • おからには「不溶性食物繊維」「オリゴ糖」「低カロリー・タンパク質」といった、犬にとって利点となる栄養・成分が含まれている。
  • 一方で、おからには「レクチン」「サポニン」「フィチン酸」という犬のNG成分も含まれている。そのため、おからを多量に与え続けると、中長期的な健康リスクが懸念される。
  • 犬へのおからの与え方は、「少量のみにとどめる」ことがポイント。

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