犬とパイナップルの栄養学

パイナップル

パイナップルなどのフルーツが手に入ると、愛犬にも与えてみようかな、という気になる方も多いと思います。

実際のところ、パイナップルは犬に与えても良い食べ物なのでしょうか?

確かな情報をえるために、色々と文献をあたりましたが、パイナップルを犬に与えた科学報告は見当たりませんでした。それでも、動物栄養学の視点から、犬にパイナップルを与えることはどうなのか、考察してみようと思います。

<目次>

犬にとって、パイナップルの利点

パイナップルが犬に良いのかどうか、トータルでの結論は後でまとめます。まずは、パイナップルの栄養成分を個別にチェックしていこうと思います。

最初に「パイナップルを犬に与える利点」をみてみましょう。

1)ビタミンC

ビタミンCは、犬の体内で抗酸化力を発揮する成分です。一方で、ビタミンCは熱に弱く、市販ドッグフードや加熱調理の手作り食では、犬が取り入れにくい成分です。

パイナップルは、ビタミンCの補給源として、犬にとって魅力のある食べ物です。

(※ビタミンCについて、より詳しくは「犬にビタミンCは必要⁈」をご参照ください。)

2)ビタミンB1

パイナップルには、ビタミンB1(チアミン)も豊富です。ビタミンB1(チアミン)は、犬にとって必須栄養の一つであり、炭水化物の代謝などに関わる重要成分として知られています。

3)食物繊維

パイナップルの食物繊維は、犬にとって良い面・悪い面、両方がある成分です。パイナップルには、食物繊維の中で犬に合ったタイプの「ペクチン」が豊富な反面、犬にとっては硬質な繊維「セルロース」「ヘミセルロース」も他の果物と比べて多めに含まれています。

こういったパイナップルの食物繊維バランスを考えると、少量であれば犬にとってポジティブに働く可能性が高く、量が多くなると下痢をするなどネガティブな要素が出てくることも考えられます。

4)タンパク質分解酵素

パイナップルに含まれる「ブロメライン」という酵素は、タンパク質を分解する能力で知られています。そのため、パイナップルは、犬にとってタンパク源の消化を助けてくれる食べ物です。お肉などの食後に、パイナップルを与えれば、犬の消化負担が減ることでしょう。

一方で、タンパク質分解酵素は、パイナップルを口にした時に感じる、弱いしびれのような反応にも関係しています。口内のタンパク質が、パイナップルの酵素により刺激を受け、それがしびれのように感じるのです。

このしびれは、犬にも同じように感じられるため、パイナップルに抵抗感を示す子がいるかもしれません。

5)水分補給

パイナップルに限らず、果物や野菜は、水分を約90%含むため、犬にとっては良い水分補給源になります。犬の中には、水を飲むことが苦手な子もいますので、パイナップルなどの果物は水分補給に助かる食べ物です。

パイナップルの注意点

一方で、パイナップルには犬にとっての注意点もあります。これは、利点としてもお伝えした「パイナップルは、果物の中で食物繊維が硬質」という要素です。

犬は雑食とはいえ、肉食性の強い動物です。そのため、植物質の食物繊維の中には、犬に合わないタイプのものが存在します。

果物に含まれる「ペクチン」と呼ばれる食物繊維などは、犬にとっても負担になりにくいのですが、「セルロース」「ヘミセルロース」などの繊維質は、犬に合わないタイプに属します。パイナップルは、果物の中でセルロース・ヘミセルロースの構成率が高く、犬の消化負担になりうるのです。

そのため、少量を犬に与える分には、パイナップルはメリットが大きいものの、量が多くて継続的に与えることには向かない食べ物、と言えるでしょう。

(※食物繊維について、より詳しくは、次のページもご参照ください。→「犬と食物繊維の相性」)

パイナップルの糖分について

パイナップルは甘い食べ物だから、糖分も気になるところです。犬も、糖質をとりすぎると肥満糖尿病につながる恐れがあり、注意が必要です。

パイナップルの糖分は、どうなのでしょうか?

実は、甘い割に、果物はさほど血糖値をアップさせない食品です。低GI食品(血糖値を上げにくい食品)の中には、意外と果物も含まれています。

パイナップルは果物の中では血糖値を上げやすいものの、白米やジャガイモ、ニンジンなどと比べて低GI食品です。つまり、食べすぎには注意だけれども、犬の肥満・糖尿病を懸念するほど、パイナップルにリスクはないと考えられます。

パイナップルの犬への与え方

それでは、実際にパイナップルを犬に与える際の「お勧めステップ」をご紹介します。

ステップ①フレッシュで良質なパイナップルを選ぶ

まず、フレッシュで良質なパイナップルを選びましょう。なお、缶詰やドライフルーツのパイナップルはNGです。これらのパイナップルは、糖質が多く、犬にはお勧めできません。

ステップ②パイナップルを与えるタイミングを考える

次に、パイナップルを犬に与えるタイミングですが、最もお勧めは「食後」です。パイナップルは消化を助ける酵素が含まれており、犬の胃腸負担を減らしてくれます。

もちろん、おやつタイムに間食として与えることもOKです。パイナップルは、胃腸の未消化物をスッキリさせてくれることも期待できるでしょう。

ステップ③生のまま、食べやすいサイズにカットし、少量与える

パイナップルは、生のまま犬に与えることが良いでしょう。熱に弱いビタミンCや酵素の恩恵をうけることができるためです。

ただ、加熱にもメリットはあります。加熱により、硬質なパイナップルの食物繊維を柔らかくできるため、犬の胃腸負担が緩和されます。それでも、パイナップルについては「生」のメリットが上回ると個人的には考えています。

そして、犬の食べやすいサイズにカットしつつ、少量のみ与えるようにしましょう。パイナップルを多量に与えることは禁物です。

(※パイナップルを含めた果物全般のことについては、「犬と果物の栄養学」にまとめています。)

まとめ

  • パイナップルには、「ビタミンC」「ビタミンB1」「食物繊維」「タンパク質分解酵素」「水分補給」といった、犬にとっての利点がある。
  • 犬にとってのパイナップルの注意点は、「硬質な食物繊維」が挙げられる。与えすぎないことがポイント。
  • パイナップルの甘さは、血糖値をさほど上げるわけではないため、懸念するほどではない。
  • パイナップルの犬への与え方は、「フレッシュ&良質パイナップルの選定」「与えるタイミングのチェック」「生のまま食べやすいサイズで少量与える」というステップがお勧め。

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