犬に大豆の是非

大豆

ヘルシーな食品として知られる「大豆」ですが、犬に与えても大丈夫なのでしょうか?

実は、犬にとって、大豆には良い面・悪い面があります。

このページでは、動物栄養学の視点から、大豆のメリット・デメリット、犬に与える際の注意点などをご紹介します。

<目次>

犬にとって、大豆の利点

まずは、犬にとっての「大豆の利点」から見ていきましょう。

①高タンパク質

大豆は、「畑の肉」と呼ばれるほどタンパク質が豊富です。大豆の約30%がタンパク質で構成されています。

犬には、基本的にしっかりタンパク質を与えることが必要であるため、大豆もタンパク源の一つになりえます。

②ビタミンなどの栄養

大豆には、ビタミンEやビタミンB1、各種のミネラル、食物繊維などが含まれています。

犬にとっても、総合的な栄養バランスに優れた食品の一つです。

③レシチン

大豆には、コレステロール低下などの作用がある「レシチン」が含まれています。犬でも一定の機能が期待できる成分です。

④オリゴ糖

大豆は、オリゴ糖も豊富です。オリゴ糖は、犬の善玉菌を増やすことが知られており、腸の健康に役立ちます。

大豆の注意点

次に、犬にとって、「大豆の注意点」をご案内します。

犬は、大豆を食べた際に、「下痢」「消化不良」「アレルギー」などのトラブルを起こすことがあります。そのような「犬の大豆トラブル」を防ぐために、注意すべきこととして、「どんな大豆なのか?」という点が挙げられます。

どんな大豆に注意すべき?

結論からお伝えすると、「生の大豆」が犬にはNGです。生の大豆には、犬が苦手とする成分が含まれており、与えてはいけません。また、「浸水しただけの大豆」もダメです。

大豆に含まれる、犬のNG成分は、加熱によって一部が壊れる性質を持っています。そのため、犬に与えるのであれば、「加熱した大豆」でなければいけません。

なお、たとえ「加熱した大豆」であっても、犬に多量に与えてはいけません。犬のNG成分が残っているため、あくまで少量の大豆のみを与えるようにしましょう。

犬に良くない大豆成分

犬に良くない大豆成分とは、どのようなもので、どうしてダメなのでしょうか?

下記、3つのNG成分をご案内します。

1)レクチン

大豆に含まれる「レクチン」という成分は、犬の腸の表面にくっつきやすいことが知られています。

犬の腸表面は、ムチンと呼ばれる粘膜物質でおおわれており、このムチンに「大豆レクチン」はくっつく性質をもっています。

大豆レクチンが多量になると、犬は食べ物の吸収阻害をおこしてしまい、下痢などの腸トラブルの原因となります。

2)サポニン

大豆には、天然の界面活性剤「サポニン」が含まれています。

サポニンは、界面活性剤として機能するため、犬の腸表面の脂質を一部溶かしてしまいます。それが起因となり、犬の腸に炎症がおこり、下痢などを発症することがあります。

3)フィチン酸

フィチン酸は、大豆に含まれる抗酸化物質として知られています。

抗酸化物質であるため、犬にとって良い要素もある一方で、フィチン酸はミネラル吸収をブロックしてしまう欠点も有しています。

つまり、フィチン酸が過剰になると、犬は栄養不良(ミネラル不足・ミネラルバランスの崩れ)に陥りるリスクがあります。

各大豆食品と犬の相性

豆腐

大豆には、様々な加工食品・発酵食品があります。私たちにとって、身近な大豆食品について、犬との相性をチェックしましょう。

納豆

納豆は、大豆食品の中でも、犬に最もお勧めできる食べ物です。

お勧めできる理由として、納豆菌による発酵により、犬にとってリスクのある大豆成分の毒性がかなり弱まることが挙げられます。

さらに、納豆ならではの犬へのメリットもあり、安心できて健康的な大豆食品、ということができます。

(※納豆について、詳細は「犬に納豆が良い理由」をご覧ください。)

豆腐

豆腐は、大豆そのものに比べると犬に合っている食品です。でも、大豆の犬にNG成分が、少ないながらも豆腐にも残っているため、多量に与えることは避けるべきでしょう。少量の豆腐であれば、犬にお勧めできる食べ物です。

(※豆腐について、詳しくは次のページでもご案内しています。→「犬に豆腐の是非」)

豆乳

豆乳にも、犬のNG成分が残っています。そのため、犬に多量に与えるべきではありません。

(※豆乳について、詳しくは「犬に豆乳がお勧めできない理由」をご参照ください。)

味噌

味噌の中には、大豆からの犬にNG成分がほとど含まれていません。しかし、味噌は高塩分食品であるため、犬には控えめにすべきです。

おから

豆腐などの副産物である「おから」は、犬のダイエット素材として活用されることがあります。食物繊維含量が多く、犬の食事の「かさまし」として、おからは活躍します。

ただ、おからの食物繊維は、不溶性タイプがほとんどで、便が硬くなる可能性があります。また、大豆のNG成分のうち、「フィチン酸」の含量が多く、犬に多量に与えることはリスクがあると考えられます。

(※おからについて、「犬におから、利点とリスク」もご参照ください。)

大豆を含む市販ドッグフードについて

市販ドッグフードの中にも、大豆を含むものがあります。大豆は、少量であれば犬にメリットを及ぼす素材です。一方で、生の大豆や多量の大豆食品は、犬の腸トラブルなどを引き起こします。だから、大豆入りの市販ドッグフードは、その詳細をチェックすることをお勧めします。

ただ、ドッグフードの原料表記では「大豆」という記載であっても、どのような大豆原料なのか、そしてどれくらいの量が含まれているのか、消費者の方々にはわからない面があります。そこで、該当フードのWebサイトや説明資料をチェックし、それでも大豆についての考え方が不明である場合は、メーカーや販売者に聞いてみても良いでしょう。

大豆の与え方

それでは、大豆の犬への与え方をご案内します。次のようなステップを踏んであげることがお勧めです。

ステップ1)大豆食品の選択

まず、どんな大豆食品を与えるのか、選んであげましょう。生や浸水のみの大豆は絶対にNG。そして、茹で大豆、豆腐なども少量にとどめましょう。

最も犬にお勧めできる大豆食品は、納豆。納豆を好むワンちゃんも多いので、一度お試しください。

ステップ2)適量を食事にトッピング

茹で大豆・豆腐であれば少量のみ、納豆でも与えすぎないように適量を、犬の食事に添えてあげましょう。お勧めできる納豆であっても、食事に占める割合が高くなりすぎると栄養バランスが偏ってしまうことを考慮しましょう。

まとめ

  • 大豆には、「高タンパク質」「ビタミンなどの栄養バランス」「レシチン」「オリゴ糖」など、犬の利点となる要素がある。
  • 一方で、大豆成分「レクチン」「サポニン」「フィチン酸」は、犬にリスク要因となるため、要注意。加熱で一部は壊れるが、それなりに活性が残るため、生大豆はもちろん、茹で大豆なども犬に与えすぎてはいけない。
  • 犬にお勧めできる大豆食品は、「納豆」。
  • 大豆を含む市販ドッグフードは、大豆含む意図などをチェックした方が良い。
  • 大豆の犬への与え方として、「大豆食品の選択」「適量を与える」のステップを踏むことがお勧め。

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