チョコレートは、犬に絶対に与えてはいけない食べ物です。
かなり多量のチョコレートを与えなければ大丈夫、という論調も見られますが、少量で死に至った犬の症例も報告されています。
このページでは、犬のチョコレート中毒について、与えてはいけない理由とともに、実際の症状や治療方法についてご紹介します。
<目次>
チョコレートを犬に与えてはいけない理由
愛犬に人の食べ物を与えることはよくありますが、犬と人の違いを理解したうえで、特に与えてはいけないものを知っておくことが大切です。その中で、チョコレートは、犬に絶対に与えてはいけません。
チョコレートが犬にNGの理由として、毒性成分「テオブロミン」が含まれていることが挙げられます。テオブロミンは、犬の中枢神経を異常に興奮させる成分であり、重篤な症状、場合によっては死に至ることもあります。
ココアパウダーも危険!
なお、ココアパウダーにもテオブロミンが1~3%含まれており、犬が口にすると中毒になる恐れがあります。
チョコレート中毒の症状
犬がチョコレートを食べてしまうと、摂食4~15時間後に、下記のような中毒症状が見られます。
- 嘔吐や下痢
- 動機、神経過敏、興奮、ふるえ
- 頻脈、心拍障害
- 麻痺、昏睡、突然死
- 腎臓の損傷
チョコレートの中毒症状があらわれるのは、犬の体重1㎏あたりテオブロミン200㎎以上、と言われることが一般的です。しかし、その半分以下のテオブロミン量で死に至った、犬のチョコレート中毒の症例も報告されています。この症例では、テオブロミン量が少ないミルクチョコレートを約40㎎(板チョコ半分ほど)食べただけで、犬が死亡したということです。(ビターなチョコレートは、ミルクチョコレートよりも更に毒性が強くなります。)
おそらく、チョコレートの耐性には体重だけではない個体差、食べたときの犬の健康状態なども関係することと思われます。いずれにしても、少量のチョコレートを食べただけだから、などと看過せず、中毒症状が出てくるまでに対処することが望まれます。
チョコレート中毒の治療方法
チョコレートに含まれる中毒成分「テオブロミン」は、犬での排泄が行われにくい、という特徴があります。このことは、人で大丈夫でも犬でチョコレート中毒が起こりやすい理由の一つです。
また、少量のチョコレートであっても、繰り返し食べていると、犬の中毒リスクが高くなります。このことも注意すべきポイントです。
そして、残念なことに、犬のチョコレート中毒における有効な解毒薬は存在しません。そのため、下記のような対処療法がチョコレート中毒の治療方法として採用されます。
- 胃腸の洗浄、嘔吐を促す薬
- 活性炭の投与
- 精神安定剤、鎮静薬、リドカイン(局所麻酔薬)
以上のように、一度チョコレート中毒症状が出てしまうと、治療に困難が伴います。そのため、「犬にはチョコレートを与えない」「もし犬がチョコレートを食べてしまったら、少量であっても早期に動物病院の診療を受ける」という心構えが大切です。
まとめ
- チョコレートには、犬の中毒症状を引き起こす成分「テオブロミン」が含まれており、絶対に与えてはいけない。
- チョコレートの中毒症状は、犬が食べてから4~15時間後に発症する。少量のチョコレートでも死亡した実例があり、注意が必要。
- チョコレート中毒の治療方法は、犬への解毒剤がなく、対処療法となる。そのため、早期の診療が望まれる。
この記事へのコメントはありません。