犬にトウモロコシ 誤解と風評

トウモロコシ

ドッグフードの原料としても使われるトウモロコシは、犬に良くない食品の一つというイメージが定着しています。

しかし、トウモロコシについて、風評被害ともいえる大きなが誤解があります。トウモロコシは、正しい使い方・与え方を行っていれば、決して犬に悪い素材ではありません。むしろ、犬にとって非常によい栄養源になります。

このページでは、ドッグフードの原材料としてのトウモロコシ、そして、犬にトウモロコシを与える際のポイントなどを、動物栄養学の視点でお伝えします。

<目次>

トウモロコシが悪者扱いされる理由

「トウモロコシを含むドッグフードは避けましょう。」このような情報をよくみかけます。しかし、これは全く誤った内容です。

なぜ、「トウモロコシ=犬にNG」という誤った情報が一般化するようになったのでしょうか?

過去のトウモロコシ被害事件について

これは、過去にアメリカ合衆国で悪質なトウモロコシ原料を使ったドッグフードにより、犬の健康被害が多発し、社会問題になったことが関係していると考えられます。

トウモロコシは、産業生産のプロセスで、様々な部位にわけられます。「食用コーン」として私たちも口にする粒の部分、皮やヒゲ、トウモロコシの芯の部位、などです。

過去に犬の健康被害が出たドッグフードは、トウモロコシの「ひげ・皮・芯」などの部分をドッグフードに使用していたのです。これらの部位は、犬の消化性が悪く、現代の動物栄養学から考えると、健康被害が出て当然といえるでしょう。

この情報が正しく伝わらないまま、日本国内において「トウモロコシは全て犬にはNG」という間違った情報が一般化してしまったことが、誤解を生んでいる大きな原因と考えられます。

犬にとって、トウモロコシの利点

私たちの研究では、トウモロコシは犬にとって優れたタンパク質源、ということがわかっています。

トウモロコシは、アミノ酸バランスを保つ上で欠かせない原料であり、消化性にも優れたタンパク質です。そのため、私たちのドッグフードシリーズ「犬心」では、トウモロコシを必ず使用しています。

トウモロコシの注意点

ただし、トウモロコシにも注意点があります。

先にお伝えした「ひげ・皮・芯」の部分は、犬の消化性が非常にわるく、与えてはいけません。

また、いわゆる「コーン」の部分の薄皮も犬の消化が悪いです。そのため、できればトウモロコシ粒の薄皮を除き、柔らかい中身だけを犬に与えることが好ましいです。

ドッグフードの原料としてのトウモロコシ

トウモロコシは、食品用途の原料として、いくつかの素材に加工処理してい使われています。

「コーンスターチ」「コーンオイル」などが有名ですが、ドッグフードの原料として非常に優れているのは「コーングルテン」です。

「コーングルテン」は、犬にとって、非常に消化性が優れたタンパク質です。トウモロコシ原料としては、最も高価な原料ですが、誤解されているところもあります。

トウモロコシ自体の風評被害に加えて、「グルテン」という呼び名がつくことも、「コーングルテン」の誤解につながっています。犬にとって、「小麦グルテン」は消化性が非常に悪く、アレルギーの原因物質となり、与えるべきではありません。しかし、「コーングルテン」は、小麦グルテンとは全く異なるタンパク源であり、消化がよくアレルギーの原因となりにくい成分です。

繰り返しになりますが、トウモロコシの中の「コーングルテン」は、ドッグフードの原料として、とてもお勧めできる素材です。

手作り食でトウモロコシを与えるポイント

トウモロコシ

手作り食で、犬にトウモロコシを与えるポイントについても、ご案内します。

少し面倒ですが、ワンちゃんの健康を考えると、下記の与え方がお勧めです。

1)トウモロコシを茹でる

まず、私たち人間が食べるときと同じく、トウモロコシをしっかり茹でましょう。市販の粒になっているコーンを使用しても構いません。

2)粒(実)の部分のみを取る

茹で上がって少し冷まし、トウモロコシの粒(実)の部分のみを取りだします。

3)粒をつまんで押しつぶし、柔らかい中身を取りだす

トウモロコシの粒をつまんで押しつぶし、柔らかい中身の部分のみを取りだしましょう。(残った薄皮は、犬に与えないようにしましょう。)そして、トウモロコシの柔らかい中身部分のみを犬に与えるようにします。

まとめ

  • 過去にトウモロコシの皮・ひげ・芯などを使ったドッグフードにより、犬の健康被害が社会問題となった。それにより、トウモロコシは犬にNG、という間違ったイメージが定着してしまった。
  • 犬にとって、トウモロコシの利点は、「消化性とアミノ酸バランスに優れたタンパク質」にある。
  • トウモロコシは、皮・ヒゲ・芯を犬に与えてはダメなことはもちろん、粒の薄皮もできれば避けた方が好ましい。
  • ドッグフードの原料として、トウモロコシのタンパク質部分である「コーングルテン」は、犬にとって非常に優れたタンパク源である。
  • 手作り食で犬にトウモロコシを与える場合、茹でて粒の中身部分のみがお勧め。

関連記事

  1. pexels-photo-235294_small

    犬と果物の栄養学

  2. 食パン

    犬に食パン、与えない方が良い4つの理由

  3. ■撮影用に作成した牛乳パックを使用しています。本物ではありません。イメージです。

    犬に牛乳を与えても良い理由

  4. 大豆

    犬に大豆の是非

  5. みかん

    犬にみかん、与えすぎNGの理由

  6. 大根

    犬とダイコンの栄養学

  7. にんじん

    犬にニンジン、要注意な理由

  8. pixta_23168844_M

    犬と野菜の栄養学

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)