ジャガイモは、犬にお勧めできる食品です。
一方で、ジャガイモを与える際に、注意すべきポイントもあります。
このページでは、犬にとって、ジャガイモの利点と注意点を栄養学の知見からご案内します。
<目次>
犬にジャガイモ、お勧めできる理由
ジャガイモが犬にお勧めできる理由は、犬に合った「食物繊維源」「炭水化物源」であるためです。
犬は、人と比べて肉食性が強い動物であり、植物性の食品には合う・合わないがあります。特に、人にとって良い「食物繊維」「炭水化物」であっても、犬には良くない、というケースが多いです。
例えば、多くの緑黄色野菜に含まれる「セルロース」と呼ばれる成分などは、犬の腸にはミスマッチです。そのため、犬に緑黄色野菜を与えすぎると、腸に負担を与えてしまいます。
その点、ジャガイモは犬との相性が良く、お勧めできる素材です。
ジャガイモ3つの利点
それでは、犬にお勧めできるジャガイモの3つの利点を、栄養学の知見からチェックしていきましょう。
1)消化の良さ
ジャガイモは、犬にとって消化しやすい炭水化物源です。
ジャガイモに含まれる炭水化物は、主に「馬鈴薯デンプン」などと言われている成分であり、犬にスムーズに消化吸収され、エネルギー源となります。
2)善玉菌アップ
ジャガイモには、犬の腸内の善玉菌アップにつながる、いわゆる「プレバイオティクス」の効果があります。ジャガイモの食物繊維や炭水化物は、犬の腸内の乳酸菌・ビフィズス菌を増やしてくれることに寄与します。
3)整腸作用
犬のお通じをよくし、腸を整えてくれることもジャガイモには期待できます。ジャガイモの食物繊維や難消化性の炭水化物が、犬の整腸をサポートします。
(※食物繊維や難消化性炭水化物について、詳しくは「犬と食物繊維の相性」をご覧ください。)
犬にジャガイモ、2つの注意点
犬にお勧めできるジャガイモですが、注意点が2ポイントあります。順にご案内します。
1)血糖値アップ
ジャガイモの炭水化物は、犬にとって消化しやすいのですが、その分「血糖値がアップしやすい」というところがあります。
実際に、体内の血糖値アップの指標である「GI値」について、ジャガイモは高い食品です。
糖尿病のワンちゃんはもちろん、健康な犬でもジャガイモがメインとなるような食事は避けた方が良いです。
2)毒性成分
ジャガイモの芽や緑色の皮部分には、「ソラニン」と呼ばれる毒性成分が含まれています。
そのため、犬に与える際にはジャガイモの芽や皮を必ず取り除くようにしましょう。
ジャガイモの与え方
ジャガイモを与える場合、犬にとっての利点を引きだしながら、注意点への対策をとることが大切です。
利点を引きだし注意点をケアする、ジャガイモの与え方をご紹介します。
ステップ1)ジャガイモの皮・芽・緑色の部分を除く
犬にとって毒性成分である「ソラニン」を除去するために、ジャガイモの皮・芽・緑色の部分を除くようにしましょう。
ステップ2)水にさらす or 茹でこぼす
水にさらすことで、消化されやすいデンプン質がある程度除かれます。茹でて茹で汁を捨てても、同じようなことが期待できます。また、ジャガイモのエグ味が抜けて、犬が食べやすくもなります。
ステップ3)食べやすいサイズに切り、他のフードや食材と混ぜて与える
犬が食べやすいサイズに切り、栄養バランスが整うように他の食材・フードと混ぜてジャガイモを与えましょう。
他の食材との取り合わせは、お肉などのタンパク源を選ぶこと、そして、炭水化物源をジャガイモだけに頼らないこと、をお勧めします。ジャガイモ以外の炭水化物源として、サツマイモ・玄米などがあります。サツマイモ・玄米も犬に合った炭水化物源であり、食物繊維も含めて、ジャガイモとミックスすることで腸への健康が期待できます。
※「生」「茹で」どちらが良い?
ジャガイモは、「水でさらして生のまま犬に与える」「茹でて与える」どちらが良いのでしょうか?
それぞれメリット・デメリットがあり、一概には言えませんが、「少量のみジャガイモを与える場合は生でもOK」「多量に与える場合は茹で」がお勧めです。
生ジャガイモは、ビタミンCなどの補給には良いですが、ソラニンをはじめアク抜きが不十分というリスクもあります。そのため、犬に与えるジャガイモが少量時のみ、生でもOK、と考えた方が無難でしょう。
まとめ
- ジャガイモは、犬にとって良い「炭水化物源」「食物繊維源」となる食材。
- ジャガイモが犬に良い点として、「消化の良さ」「善玉菌アップ」「整腸」の3ポイントが挙げられる。
- ジャガイモの注意点は、「血糖値アップ」「毒性成分」の2つ。
- 犬にジャガイモを与える際、「芽・皮を除く」→「水にさらすor茹でこぼす」→「適サイズにカットし、他食材・フードと混ぜて与える」という3ステップがお勧め。
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