犬が白色の嘔吐をしたり、白い泡を吐き出すことがあります。これら白色の嘔吐や白い泡の正体は、一体何なのでしょうか?
このページでは、犬が白い嘔吐・泡の吐き出しをすることについて、動物栄養学の観点から、原因と対策をご案内します。
(※特に、「食事対策」については、他には無い情報をお伝えしていますので、ご参照ください。)
<目次>
白色の嘔吐・泡の正体
犬の「白色の嘔吐」「白い泡」の吐き出しについて、その正体は「胃液」です。
胃の中に胃液が過剰分泌され、犬の「白い嘔吐・泡」となって吐き出してしまうことがよくあります。
犬が白い嘔吐をする原因
犬が胃液を吐き出してしまう原因は、空腹によることが挙げられます。特に、空腹時間が長い際に、胃液が過剰となり白い嘔吐をしてしまいます。
(※白色以外のものを含めて、犬の嘔吐全般については、次のページで詳しくご案内しています。→「犬の嘔吐と食事対策」)
白い嘔吐・泡、2つの対策
犬が白い嘔吐をする原因を考えると、「空腹時間を短くする」「胃液が過剰に出ないように工夫する」ということが対策になります。それでは、具体的に「犬の白い嘔吐・泡」の対策を見ていきましょう。
1)空腹時間を短くする
一つめの対策は、シンプルに「空腹時間を短くする」ということです。犬の食事回数を増やしたり、間食を与えることにより、白い嘔吐・白色の泡があらわれなくなることがあります。
2)胃液が過剰に出ない食事対策
二つめの対策は、「胃液が過剰に出ない食事・栄養の工夫」です。この食事・栄養対策のポイントが、「食物繊維」です。
食物繊維は、犬の胃における「空腹感」を軽くする効果があります。つまり、食物繊維は、犬の胃の満腹感を高めると共に、消化吸収スピードを穏やかにし、空腹を感じるタイミングを遅くしてくれます。それにより、胃液が過剰に出なくなり、犬の白色嘔吐・泡の緩和が期待できます。
(※食物繊維について、詳しくは「犬と食物繊維の相性」をご参照ください。)
犬の胃の空腹感を和らげる、食物繊維のタイプ
一方で、「食物繊維」であれば何でもOKという訳ではありません。
空腹による「白色嘔吐・泡」は、犬の「胃」でおこります。つまり、犬の「胃」の空腹感を和らげることが重要です。
ところが、食物繊維の中には、犬の胃の空腹感を和らげるタイプと、そうではないタイプのものがあります。そのため、犬の胃の空腹感を和らげるタイプの食物繊維が望まれます。
そのような「犬の胃の空腹緩和」をサポートする食物繊維は、「水溶性食物繊維」に属するものです。
白い嘔吐対策にお勧めの「水溶性食物繊維源」
それでは、犬の白い嘔吐対策にお勧めの「水溶性食物繊維」を含む食べ物をご案内します。
- 果物→犬の胃腸に合った「ペクチン」などの水溶性食物繊維を多く含む。おやつ代わりに間食として、果物を犬に少量与えると、「白い嘔吐・泡」対策に良い。
- 海藻→水溶性食物繊維を多く含むため、犬の食事やドッグフートに海藻を少量トッピングすると、「白い嘔吐・泡」対策が期待できる。
- イモ類・穀物→成分分析値としては、水溶性食物繊維が多い訳ではないものの、同じような働きをする「難消化性炭水化物」を多く含む。そのため、イモ類・穀物は、犬の「白い嘔吐・泡」対策に重要な食品と言える。
※野菜の食物繊維について
なお、野菜類については、「不溶性食物繊維」をメインとしています。不溶性食物繊維は、動物栄養学の科学報告により、「犬の胃の空腹感緩和」には貢献しないとされています。ただ、野菜に含まれる不溶性食物繊維は、胃に刺激を与え、犬の食欲をコントロールするような効果を発揮します。そのため、特に食欲旺盛な犬については、上記3ポイントに加えて、野菜も適量取りいれることにより、食欲が抑えられて「白い嘔吐・泡」につながることが考えられます。
まとめ
- 犬の白色嘔吐・白い泡の吐き出しについて、正体は「胃液」である。
- 空腹時間が長いなど、犬の空腹による胃液の過剰分泌により、白い嘔吐・泡が見られる。
- 犬の白色嘔吐・白い泡の対策として、「空腹時間を短くする」「胃液が過剰に出ない食事対策」の2つが挙げられる。
- 犬の白い嘔吐・泡の食事対策として、「水溶性食物繊維」をうまく与えることがお勧め。
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