「動物病院にかかる前に、愛犬の症状から、病気・トラブルを正確に知りたい。」そんな風に思ったことのある飼い主さんは多いのではないでしょうか。
犬にどんな病気・トラブルが潜んでいるのか、正確に知るためには、幾つかの症状を同時にチェックしてあげることが大切です。一つの症状だけでは特定できない病気・トラブルも、複数のポイントを組み合わせてみると、正確に絞り込めることがよくあります。
このページでは、犬の症状のチェックポイントをまとめてご案内しています。複数のチェックポイントを抑えられるように「犬の症状一覧」として整理しました。ご愛犬の症状を見ながら、病気やトラブルを把握してもらればと思います。
<目次>
犬の生理現象・行動にもとづく、症状のチェックポイント
犬の生理現象や行動に、普段とは違う「異常」な症状が見られたとき、何か病気・トラブルが潜んでいるかもしれません。
例えば、下痢・嘔吐・食欲不振などの消化器トラブル、おしっこの異常、発熱やむくみ、体重変化、痙攣・落ち着きがないなどの異常行動、咳やくしゃみ、睡眠の不全、といった症状は、犬の病気・トラブルのサインと言えます。
以下、犬の生理現象・行動にもとづく、症状のチェックポイントを一覧にまとめましたので、ワンちゃんの様子と照らし合わせてください。
犬の生理・行動にもとづく症状 |
関連症状と病気・トラブル |
下痢、便の異常 |
- 下痢とともに嘔吐 →胃腸炎など胃・小腸のトラブル(脂肪便の場合は膵炎のおそれ)
- 黒色タール状の血便・黒い下痢 →IBDなど小腸の病気
- 水っぽい下痢 →急性の小腸トラブル・病気
- 鮮血交じりの下痢 →大腸もしくは肛門トラブル・病気
- ゼリー状の軟便・粘液便 →大腸炎など大腸トラブル・病気
- 緑・黄・黒・白など異常な色の便 →食事・栄養の偏り、腸内細菌バランスの異常
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嘔吐(吐血)、よだれ、げっぷ |
- 白色・黄色の泡状の嘔吐 →空腹による嘔吐
- 鮮血が混ざった嘔吐 →胃炎・胃潰瘍など胃の病気・トラブル
- 嘔吐もするが吐きにくそう、異常なお腹の音がする →胃拡張・胃捻転の可能性
- かなりひどい嘔吐 →急性の胃腸炎や感染など
- 消化不良や食欲不振・腹痛・下痢などを伴う嘔吐 →膵炎の可能性
- 多量のよだれと共に、ひどい口臭や口内の腫れ →歯肉炎・歯周病・口内炎・口腔内の腫瘍
- 多量のよだれと合わせて、咳や食欲不振 →食道関連のトラブル・病気など
- 食後に大量のよだれ →胃捻転の可能性
- 異常な臭いのげっぷ →消化不良、胃潰瘍、胃捻転など
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食欲の変化 |
- 下痢や嘔吐を伴う食欲不振 →消化器トラブルの可能性
- 発熱を伴う食欲不振 →感染や風邪の他、様々な病気の可能性
- 咳などを伴う食欲不振 →呼吸器官の病気など
- 多飲多尿を伴う食欲旺盛 →糖尿病、クッシング症候群など
- 脱毛を伴う食欲旺盛 →クッシング症候群、甲状腺機能低下症など
- 食欲旺盛だけど太らない →糖尿病、クッシング症候群、寄生虫感染など
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おしっこの異常 |
- 血液まじりの尿 →膀胱炎、尿路結石など
- 尿の量が多く、水のように薄い色 →腎臓トラブルの可能性
- 多飲多尿 →糖尿病、クッシング症候群、子宮蓄膿症など
- 尿の黄色が濃い →肝臓・胆のうの病気・トラブルなど
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発熱 |
- 咳・くしゃみなどを伴う発熱 →風邪、気管支炎、肺炎など
- 夏場にふらつきなどを伴う発熱 →熱中症
- 下痢・嘔吐、痙攣などが見られる発熱 →食中毒、胃腸炎など
- 尿の異常などを伴う発熱 →尿路感染症、肝炎など
- しこりや元気喪失などが見れらる発熱 →腫瘍性疾患など
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むくみ |
- むくみと共に、疲れやすい・元気がない・腹水がたまるなど →心臓病のおそれ
- むくみと共に、体重減少・食欲不振など →腎臓病・肝臓病・低アルブミン血症などのおそれ
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体重変化 |
- 下痢・嘔吐とともに急な痩せ →消化器トラブルの可能性
- 食欲低下や元気喪失と合わせた急な痩せ →腫瘍性疾患、腎臓病、内分泌疾患(糖尿病など)の可能性
- 元気で異常がないけれど痩せていく →活動量が食事の総合的なカロリーを上回っている可能性
- 元気がなく太ってきた →甲状腺機能低下症の可能性
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痙攣、震え |
- 痙攣とともに、くしゃみ・咳・発熱など →風邪や感染の疑い
- 痙攣とともに、ぐるぐる回る・首が傾いているなど →脳腫瘍など脳神経の病気の疑い
- 繰り返し痙攣がおこる →てんかんの疑い
- 寒い環境での震え →低温に伴う反応
- 騒音や慣れない環境での震え →怖がっている、ストレスを感じている可能性
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咳、くしゃみ、息切れ |
- 元気だけれど乾いた咳をする →軽い気管支炎の可能性
- 季節に伴う咳・くしゃみ →花粉症の疑い
- 室内での慢性的な咳・くしゃみ →ハウスダスト・家ダニなどのアレルギーの疑い
- タンを吐くような咳 →心臓病の可能性
- 高熱を伴う咳・くしゃみ →風邪・インフルエンザ・感染症などの疑い
- 長引く重篤な咳 →肺炎の可能性
- 慢性的な粘り気のある鼻水 →副鼻腔炎・蓄膿症などの疑い
- 鼻周辺の腫れや変形を伴う鼻水・くしゃみ →鼻周辺の腫瘍の疑い
- 激しい運動をしていないのに息切れしている →僧帽弁閉鎖不全症などの疑い
- 激しい咳や息切れとともに、寝相がおかしい →肺水腫などの疑い
- 乾いた咳と激しい息切れ →気管虚脱の疑い
- 暑い中での息切れ →熱中症の疑い
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睡眠トラブル |
- 徘徊や夜鳴きを伴う不眠 →認知症の疑い
- 皮膚のかゆみや痛みを伴う不眠 →膿皮症・アトピー性皮膚炎など
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落ち着きがない |
- 急な環境変化などに伴う落ち着きのなさ →ストレスなど
- 徘徊や不眠など異常行動が伴う落ち着きのなさ →認知症の可能性
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犬の身体の部位にもとづく、症状のチェックポイント
続いて、犬の身体の部位ごとの「症状チェックポイント」です。
全体的な「生理・行動」と細部におよぶ「身体の部位」を合わせてチェックすることで、犬の症状をより正確に把握できる場合があります。こちらも、一覧表として下記まとめました。
犬の身体の部位にもとづく症状 |
関連症状と病気・トラブル |
目 |
- 眼球が飛び出て目が充血している →結膜炎の疑い
- 目が白く濁っている →白内障の疑い
- 黄疸が見られる →肝臓トラブルの可能性
- 涙やけ・目やになどが目立つ、涙が多い →流涙症、結膜炎、ドライアイ、角膜炎など
- 目が左右に揺れている →内耳炎や前提疾患などの疑い
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耳 |
- 耳垢が異常にたまっている、耳を気にする →外耳炎などの疑い
- 耳の黒ずみ・耳垢・悪臭が目立つ →耳カイセンの可能性
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鼻 |
- 鼻が腫れ、粘性のある鼻水が出る →副鼻腔炎・蓄膿症の疑い
- 鼻をグーグー鳴らす、鼻の穴が狭い →鼻腔狭窄の疑い
- 鼻血が出る →鼻の出血の他、白血病や扁平上皮癌の可能性
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口 |
- 口の中が黒く腫れている →口腔がんの疑い
- 口の中が臭く、歯がぐらぐらしたり腫れている →歯周病の疑い
- 口の中が赤い →熱中症や感染の疑い
- 口の中が青紫色 →中毒、心臓病、気管虚脱などの疑い
- 口の中が蒼白 →腎臓病や貧血の可能性
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皮膚 |
- 皮膚から膿が出てかゆがる、黒い斑点がある →膿皮症などの疑い
- かゆがり皮膚にかさぶたや赤い腫れがみられる →疥癬などの疑い
- 皮膚が臭くただれている、べたべたしている →脂漏性皮膚炎などの疑い
- 皮膚にしこりがある →血管肉腫・肥満細胞腫などの疑い
- 部分的な脱毛がある →各種皮膚炎など
- 左右対称の脱毛が見られる →クッシング症候群、甲状腺機能低下症
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お腹・胸 |
- 腹痛のため触ると嫌がる →胃捻転、腸閉塞、胃潰瘍などの疑い
- お腹だけ膨れている →クッシング症候群など
- お腹が鳴る →鼓腸症など
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生殖器 |
- 膣内から分泌物や出血がある →子宮蓄膿症など
- 乳房や乳腺にしこりがある →乳腺炎・乳腺腫瘍・乳がんの疑い
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お尻 |
- お尻が腫れている・出血がある →肛門周囲の炎症、会陰ヘルニアなど
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手足 |
- 関節の変形 →脱臼・骨折・関節炎など
- 手足の腫れ →骨肉腫などの可能性
- 爪の根元の変色 →扁平上皮癌など
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まとめ
こちらでは、よく見られる犬の症状を一覧としてまとめました。
犬の症状を出来るだけ早く調べ、概要を正確に把握するために、こちらの一覧を活用いただければと思います。